[東京 18日 ロイター] – 菅義偉首相は18日、飲食を通じた感染防止や変異ウイルスの監視強化などを徹底することで「再び緊急事態宣言を出さないよう(新型コロナウイルス感染症対策本部で決定した)5つの対策をしっかりやるのが私の責務」と強調した。4月前半に想定される訪米後の衆院解散観測については「全く考えていない」と否定した。緊急事態宣言の全面解除決定後に、官邸で記者会見した。
菅首相は会見の冒頭で「これまで飲食店の時間短縮を中心に行ってきた対策は大きな成果をあげた」とし、解除判断の目安となった病床使用率について「基準を安定して満たしている」ことを全面解除の理由に挙げた。
一方、新規感染者数の動向に関しては「横ばいや微増の傾向が見られ、リバウンドが懸念されている。変異株の広がりも警戒する必要があり、宣言が解除される今が大事な時期」との認識も併せて示し、「国と自治体が協力しながら、感染対策を続ける」と述べた。
感染再拡大を回避するための総合対策では、1)飲食を通じた感染防止、2)変異株の監視体制の強化、3)感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、4)安全・迅速なワクチン接種、5)次の感染拡大に備えた医療提供体制の強化――を掲げ、「世界でもコロナとの戦いは続いており、できることはすべてやり抜く。自ら先頭に立ち、国民の命と暮らしを守り抜く覚悟で全力で取り組む」と語った。
コロナ収束に向けて「必要なものには、しっかりと財政を付けていく」との考えも示した。
首相は「新型コロナの影響で厳しい状況に置かれた家庭や、非正規(雇用労働者)などの弱い人に対してさまざまな支援策を行っているところ。思い切った財政出動で財政が厳しくなっているのも事実だが、政府としてはできる限り対応することが大事」とした。飲食業の事業継続で「金融面での対応策を早急に取りまとめたい」との方針も明らかにした。
改正特別措置法で新たに設けた「まん延防止措置」を適用するかについては、「今やる、やらないではなく、感染状況を見ながら必要であれば実行に移す」と述べるにとどめた。
4月前半に想定される日米首脳会談では「(バイデン米大統領と)個人的な信頼関係を深めつつ、日米同盟のさらなる強化につなげていきたい」と抱負を語った。新型コロナ対応や中国を巡る諸課題、北朝鮮による拉致問題に加え、気候変動対応でも「日米が互いに連携することを確認する会談としたい」と述べた。
与党内で取りざたされる訪米後の衆院解散観測に関しては「全く考えていない」と否定するとともに、「9月までが(自民党総裁としての)任期なので、その中で考えていくのは事実だが、優先すべきはコロナの収束」と強調した。今夏の東京五輪・パラリンピックにも触れ、首相は「開催する方向で準備しているのが実状。しっかり応援していきたい」と述べた。
(山口貴也 編集:山川薫)
転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70169.html
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